画像

誰にとっても安全な食を届けるには? 食物アレルギーから考えるコンビニの食品

私たちは、毎日のように食べものを選んでいます。おにぎりにするか、サンドイッチにするか。気分や好みで、なんとなく手に取ることがほとんどです。

でも、食物アレルギーがある人は、そうはいきません。原材料を見て、自分の体に合わないものが入っていないかを確認する。「これ、食べても大丈夫かな?」と、自分の体と向き合いながら選ぶのが日常です。

今回集まってもらったのは、食物アレルギーがある当事者の方々。セブン‐イレブンでの“食選び”について、日ごろ感じていることをお話いただきました。

今回交差点で出会った方々はこちら

画像

あんさん

卵、ピーナッツ、魚卵、キウイ、大豆、ゴマ、マスタードのアレルギーがある大学1年生。小さい頃は小麦、乳、そばのアレルギーもありましたが、経口負荷の治療※1を経て食べられるように。大豆は摂取量を調節、ゴマとマスタードは目で見えたものだけ取り除いて食べているそうです。

画像

Nさん

乳製品、卵、くるみのアレルギーがある大学1年生。過去には小麦アレルギーもありましたが、経口負荷の治療※1を経て食べられるように。卵は熱を通したものを食べています。乳製品は飛沫にも反応するため、手袋を着けてコップを持ち、経口負荷の治療を続けています。くるみは現在、食べ慣らしのため負荷試験中※2。

※1 経口免疫療法:事前の食物経口負荷試験※2でアレルギー症状が出始める境界値を確認した後に、原因食物を医師の指導のもとで継続的に経口摂取させ、最終的には耐性獲得を目指す治療のこと(日本小児アレルギー学会 アレルギーガイドライン2021 参照)

※2 食物経口負荷試験:アレルギーが確定している、または疑われる食品を単回または複数回に分割して摂取させ、症状の有無を確認する検査のこと(日本小児アレルギー学会 アレルギーガイドライン2021 参照)

画像

赤城さん

認定NPO法人 アトピッ子 地球の子 ネットワーク 事務局長/専務理事
アトピー・アレルギー性疾患のある患者とその家族に寄り添う活動を長年続けていらっしゃいます。

画像

栗田さん

セブン‐イレブン・ジャパン QC・物流管理本部 QC部
食物アレルギーの方からのお問合せ対応や、セブン‐イレブンの安全・安心への取り組みをホームページ等で発信しています。

コンビニで安心して選ぶには? アレルギー成分表示のリアル

セブン‐イレブンの店頭に並ぶ商品には、アレルギー表示があります。しかし、プライベートブランド一つとっても、その表示の仕方はそれぞれ異なります。一目でわかるものもあれば、注意しなければ見つからないものも…。そんな中で、食物アレルギーの方々は、どのようにコンビニを利用しているのでしょうか。

あんさん

あんさん

お弁当や中華まん、サラダ、スイーツと、いろいろ購入しています! ただ、中華まんは見た目が同じでも、味が違うことがありますよね。中には私が口にできないものもあるので、レジで注文したら、店員さんが正しい中華まんを取ってくれているか毎回確認するようにしているんです。

Nさん

Nさん

僕はおにぎりとセブンカフェが多いです。本当はパンやホットスナックも食べたいのですが、乳製品と卵アレルギーがあるので…。その点、おにぎりは具材がシンプルなものが多くあって、原材料もわかりやすいので、安心して選べるんですよね。セブン‐イレブンさんは次々に新商品を出してくれるので、毎回楽しみです。

alt=

フライヤー商品にもアレルギーの成分表示が明記されています。ただし、調理器具にアレルギー成分が混入する可能性もあるため、表示されている=問題ないとは一概に言えないそうです。

栗田さん

栗田さん

お二人とも、ありがとうございます。中華まんの件は盲点でした…。参考にさせていただきますね。ちなみにNさんはセブンカフェを買う時に、何か困ったことはありませんか? どんな小さなことでもいいので、今日はお話いただけるとありがたいです。

Nさん

Nさん

セブンカフェを買う時に困ったことはありませんね! コーヒー単独のマシンがあるので、カフェラテの乳製品が混入する心配もなく購入できています。

栗田さん

栗田さん

それはよかったです。安心しました。お二人とも、商品を購入される際は表示を確認されていますよね? 見づらいとか、もっとこうして欲しいとか、リクエストはありますか?

alt=

座談会では、実際の商品を見ながら表示についての意見交換も行われました。「表示方法が統一されていれば、手に取るきっかけになるのに」というリアルな声も。

Nさん

Nさん

セブン‐イレブンさんのホームページやアプリでは、商品に含まれているアレルギー物質(特定原材料等)を確認できるので、いつも助かっています。ただ、欲を言えばもう少し使いやすくしてほしいですね。

アレルギー物質で商品を絞り込めたり、自分のアレルゲン(アレルギーを引き起こす原因物質)を含まない商品が発売されたら通知が届いたりすると、もっと利用するようになると思いました。

あんさん

あんさん

それ便利そう! 賛成です(笑)。私は、もっとパッと見て分かるようになればいいのになと思っています。食べものを買う時は必ず原材料を確認しているのですが、表示ラベルが底面に貼ってあると見づらいんです。せめて、特定原材料の8品目※だけでも一目でわかるようにしてもらえるとありがたいですね。

※ 重篤度・症例数の多い8品目(特定原材料:えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)

栗田さん

栗田さん

私たちも表示方法を意識しているつもりだったのですが、お二人の話を聞いているとまだまだ改善すべきところがありますね。

なんとなくでは選べない。気づかれにくい不便さ

あんさん

あんさん

それから個人的には“慣れ”も怖いなと思っています。数年前、ファミレスでパスタを食べた時に粉チーズをかけたのですが、「粉チーズだから大丈夫」と成分表示を見ていなかったんです。ところが、ちゃんとボトルを見たら「卵白」の表示があって…。

大事には至りませんでしたが、それからは、普段手に取っている商品でも原材料を細かく見るようにしています。セブン‐イレブンさんでは、サラダにも気をつけていますね。

栗田さん

栗田さん

サラダですと、ドレッシングでしょうか?

あんさん

あんさん

そうです! いつもと同じサラダだと思って手に取っても、実はドレッシングが変わっていたことがあって。表示ラベルを見て「今回のは食べられないや…」という経験をしたことが何度かありました。ドレッシングが別売りになっていると選択の幅が広がって助かります。

alt=

赤城さん

赤城さん

食べられるものが減るのはやっぱり悲しいですよね。私は経口負荷の治療が進んで食べられるようになりましたが、食物アレルギーがある子を子育て中の方と話すと、
「子どもたちはハンバーグとウインナーが入っているものを食べたがる。でもアレルギー物質が一括表示されていると、卵や乳がどの具材に入っているのか分からないので買ってあげられない」
という話題が出ます。もう少し詳細に分かれば、買える商品も増えるのに…と、いつも思っています。

Nさん

Nさん

僕はサラダチキンですね。セブン‐イレブンさんは品揃えが豊富な反面、味によって原材料が違うので、乳や卵が入っていないか一つずつ確認する必要があります。「サラダチキンだから大丈夫」ではないんですよね。

だから時々、チェックするのが大変で買わないこともあります。海外のようにわかりやすくマークがついていれば、そういうこともなくなっていく気はします。

alt=

栗田さん

栗田さん

リニューアルした際に、きちんとアナウンスをすること。成分の個別表示をすること。視認性を高めること。課題がより明確になってきたので、商品部と連携して一つずつ着手していければと思います。みなさん、ありがとうございます。

選べる喜びを、もっと多くの人に

赤城さん

赤城さん

それでも、セブン‐イレブンさんは独自に工夫してくださっていますよね。セブンプレミアム商品は、一括表示とは別にアレルギーの親切表示があって、明るい青色を使って目立つように書かれているので、選びやすくなりました。

お弁当のおかずや総菜類は、裏面の原材料表示を見るためにひっくり返しても、汁が出ないように閉じられているものもあってとても便利です。食品を安心して選べる工夫なのかなと感じています。コンビニは少しずつ使いやすくなってきたと思います。

あんさん

あんさん

私も、今日はお礼を言いたかったです! アレルギーがあるので、「選べる経験」ってほとんどないんです。ドリアやグラタンが並んでいても、食べられるのは1種類だけとか…。でも、セブン‐イレブンさんのドリアやグラタンは何種類も食べられて、選べる。「今日はどれにしようって」考えられるのが、本当にうれしいんです。

食物アレルギーに対する取り組み|セブン‐イレブン

食物アレルギーに対する取り組み|セブン‐イレブン

食物アレルギーの方やそのご家族にも、いつも安心して利用していただけるお店であるために、セブン‐イレブンではお取引先様と共に、集合研修やオンラインワークショップを開催するなど、安全・安心の取り組みをおこなっています。

alt=

赤城さんとセブン‐イレブン・ジャパン QC・物流管理本部の皆さん

Nさん

Nさん

僕から、きっとやってくださると信じてリクエストを(笑)。僕には「パンを食べたい」という思いがあります。ただ、どのコンビニもパンだけは乳や卵が入っていて、食べられるものがないんです。だから、アレルギー対応のパンの開発をぜひお願いします!

栗田さん

栗田さん

はい! 皆さんが安全・安心にお買い物ができるよう、これからも改善を続けていきます。うれしいお言葉、ありがとうございました。

食物アレルギーがあると、「食べられるかどうか」が第一条件になってしまう現実。そんな中でも「今日はこれが食べられる」と思えた時の喜びや、「味で選べた」と感じられる瞬間のうれしさ。アレルギーがあるからこそ気づける食への意識、そして「『おいしい』で終わらせたい」というささやかな願いを感じられた対談でした。

出典: 【専門家コラム】知ってほしいアレルギーのこと|セブン‐イレブン

アンケートフォーム

サイトトップへ戻る

pagetop