
誰かのために? 自分のために? いいことって、なんだろう
地球にいいことをしよう。
私たちは、そんな言葉を子どもの頃から聞かされて育ってきました。
けれど大人になると気づきます。社会にはいろんな事情があって、ある人にとっての“いいこと”が、誰かにとっては“そうじゃない”こともある。
じゃあ、“いいこと”って、なんだろう。
個人的なことから、地球にちょっといいことまで。今回の交差点では、立場も違えば会社も違う4人それぞれの“いいこと”について語り合いました。
今回交差点で出会った方々はこちら

篠原さん
セブン&アイ・ネットメディアにて、グループ各社の公式アプリやWEB制作に携わる。最近ではサステナスマイルアプリ※やグローバルWEBサイトの制作を担当。
※サステナスマイルアプリは、セブン&アイグループ従業員のサステナビリティに対する意識向上と行動変容を促すことを目的としたアプリです

石川さん
セブン&アイ・ホールディングス サステナビリティ推進室にて、グループの環境施策や啓発活動、サステナスマイルアプリ事務局を担当。

京塚さん
セブン‐イレブン記念財団にて、「セブンの森」を担当。地域NPOと連携し、自然環境保護・保全活動に取り組む。

小川さん
セブン&アイ・フードシステムズ経営企画室に在籍。業績に関わる分析や企画を担当。
いいことって、なんだろう?
―サステナブルという言葉をよく聞くようになりましたが、日常生活を送る中では少し遠く感じますよね。でも、わかりやすく言えば、“いいこと”を積み重ねてみんなが無理しなくても生きていけるように、ということなのかな?と考えています。皆さんにとって、“いいこと”ってなんでしょうか?

京塚さん
私たちセブン‐イレブン記念財団では、セブン‐イレブンの店頭でお客様からお預かりした募金等を元に、自然環境保護・保全活動や災害復興支援、環境市民活動支援等の活動を行っています。ただ、そういう大きな活動でなくても、目の前で困っている人がいたら声をかけるだけでもいいと思います。

石川さん
声をかけられた方はきっと安心しますよね。私にとってのいいことは、自分で選んだ行動や物ごとなのかなと思っています。たとえば、お風呂の残り湯で洗濯すれば、節水にはなりますよね。でも、衣服を長持ちさせるのには不向きかもしれない。
どちらが正解か決まっている訳ではないので、自分で「これがいい」と思えることを選ぶようにしています。

京塚さん
あまり考えすぎると疲れてしまいますね。私も賛成です。


小川さん
デニーズでは、mottECO(モッテコ)という食品ロス削減の取り組みを実施しています。お店でどうしても食べきれなかったお料理を、お客様の責任において、環境にやさしい容器でお持ち帰りいただけます。でも、私生活でのいいことと言われると少し悩みますね。
私には幼い子どもが二人いて、彼らに逆に教わることもあります。あまり大きな声では言えませんが、ゴミの分別が面倒になった時に「パパ、その捨て方は違うんじゃない?」と指摘されて…(笑)。大人として、ちゃんとしなきゃいけないなと感じました。

篠原さん
私はセブン&アイグループ従業員専用のサステナスマイルアプリを開発しています。アプリではグループのサステナブルな取り組み活動はもちろん、SDGsに関わるさまざまなことをわかりやすく学べるようになっています。アプリを体験した方の意識が少しでも変わるのなら、それも“いいこと”なのかもしれません。

セブン&アイグループ従業員専用のサステナスマイルアプリ


小川さん
実はアプリのヘビーユーザーで、子どもと一緒に楽しませてもらっています! 子どもたちがゴミの分別を学んだのも、アプリからなんです。

篠原さん
ありがとうございます。こうして誰かに喜んでいただけることも、“いいこと”ですよね。私生活でも、困っている人や助けを必要としている人に気づいて行動ができたらな、と思っています。
地球に“いいこと”は、どうすればいい?
―自分で意識していること、誰かから教えてもらったこと。さまざまな“いいこと”がありました。実際のところ、どこまで普段の生活で意識していますか? 特に地球環境にまつわるものは、なかなかイメージしにくいのでは? と感じています。

篠原さん
私も、SDGsが提唱され始めた頃はどこか距離を感じていました。ただ、子どもや姪っ子が大きくなってくると、次の世代の生活を意識するようになってきました。自分たちがちゃんとやらないと、この子たちにツケが回ってしまうと。今意識しているのは、ペットボトルの分別くらいではあるのですが…。

京塚さん
それでいいのではないでしょうか。私の夫はプラスチックの容器やボトルを洗って乾かしてから捨てる習慣があって、初めて見た時には、環境への意識がずいぶん高いんだなと思っていました。その後、私もまねして(洗って乾かして)捨てていますが、それは「こうした方がいいな」と共感したからなのです。
無理せずできることが、環境にいいことだった。これでいいと思います。


石川さん
日常生活の延長で少しずつできることがあればいいですよね。たとえば、サステナスマイルアプリで勉強したり記事を読んだりしてみるとか、そんな小さなことでも意識してできればいいのかなって。
あとは、ご縁でしょうか。今の部署に配属されて初めて、セブン‐イレブン記念財団が進めている「セブンの森」活動※を経験させていただいたのですが、環境への活動をより身近に感じることができるようになりました。

「セブンの森」活動※の様子

小川さん
私の地元は工業地帯で、水質汚染が進んでいました。だから、小学校でも環境教育に力を入れていたんです。それでも、自分から率先して環境問題に取り組もうという意識は、あまり強くありませんでした。
篠原さんと同じで、意識が変わったきっかけは子どもです。今ではサステナスマイルアプリを楽しんでいて、こうして皆さんとお話できている。多分これも、一つの縁ですよね。
※セブン‐イレブン記念財団は、森から海まで幅広い地域課題の解決を通じて、地球温暖化の防止や、生物多様性の保護・保全に寄与することを趣旨として取り組んでいます。
植樹や間伐、外来種の駆除などを行う「セブンの森」や、CO₂を減らすアマモを増やして豊かな海に再生する「セブンの海の森」活動を行っており、セブン‐イレブン加盟店の皆様や本部社員が活動に参加しています。
サステナスマイルアプリで意識は変わる?
―環境は、自分たちの生活の地続きになっている。そう自然と感じられるようになるといいですよね。石川さんや小川さんのお話を伺っていると、サステナスマイルアプリはグループ従業員にとって、その手助けになるのかもしれないなと思いました。


小川さん
アプリを使い始めてから、今まであまりサステナビリティというものに触れてこなかった私でも、意外と興味が湧くことに気づきました。
学習や投稿、クイズなどのコンテンツを通じてアプリ内ポイントを獲得できて、ゲーム感覚で楽しめるのもいいですね。しかも貯まったポイントは、セブン‐イレブン記念財団に寄付されるんですよ。


石川さん
2024年の3月にアプリがリリースされて1年が経ち、グループの皆さんが貯めたポイントを活用して、今年が初めての寄付になりました。私たちが想像していた以上のポイントが集まり、本当にうれしいです。
アプリをグループの皆さんに利用していただくために、この1年間をがんばってきましたが、少しだけ報われた気持ちになりました。

小川さん
ちなみに私は先月だけで1万ポイントぐらい獲得しました! 負けず嫌いなので、いつも上位でデッドヒートを繰り広げています(笑)。


篠原さん
そういう楽しみ方をしていただけると、開発者冥利に尽きます!
このアプリには簡単なコミュニケーション機能もあって、誰かが投稿したものに対してリアクションできます。小川さんのように楽しんでいただくことはもちろん、アプリからコミュニケーションが生まれて。ただ“使う”だけではなく、“つながる”場になっていけたらと思います。

京塚さん
そのためには、アプリをもっと気軽に触ってもらいたいですよね。自社が「SDGsに取り組んでいるから」というだけでは、日々のお仕事が忙しい中で、アプリを開いて使ってみようという気持ちにならない人もいると思います。だからこそ、普段の業務の中でSDGsのことを意識できる環境づくりが大事なんです。
“今”の積み重ねが、未来を変えていく
─ありがとうございます。サステナスマイルアプリの今後に期待ですね。
最後に、この先どんな未来につなげていきたいか、皆さんの想いを聞かせください。


京塚さん
私たちの行動が、後の世代にどんな影響を与えるのか、誰にも予測できないことです。だからこそ、日常生活の中で自分にできる“いいこと”を少しずつ積み重ねることが大切だと思います。みんなが同じ方向を向いて歩いていくことで、未来の基盤になっていくはずです。

小川さん
そうですよね。次の世代がなんとかなったとしても、いつかは手遅れになってしまうかもしれません。だからこそ、少しでもその影響を遅らせる努力が必要だと思っています。自分にできることを、無理のない範囲で続けていきたいですね。今はサステナスマイルアプリを子どもと一緒に楽しみます!

石川さん
小さな積み重ね、大事にしていきたいですね。私が今できるのは、会社が何をやっているのか知ってもらうこと。サステナブルな取り組みを自分事として感じにくいのは、そもそも知らないから…かもしれませんよね。私も今の部署に配属されてから、こんなにさまざまな取り組みをしているんだと気づきました。
だからこそ、まずは知ることが誰かの一歩につながる、そんなきっかけをつくっていきたいです。

篠原さん
僕らの子ども時代って、蛍もたくさん見られたし、夏の夜にクーラーをかけなくても寝られたんですよね。でも、今の子どもたちには想像もつかないようです。いつか、子どもたちも自分たちと同じような経験ができる日が来てほしいなと思います。
誰もがそうやって未来の世代のことを自然に想えるようになった時、サステナスマイルアプリは役目を終えるかもしれません。でも、それでいいんです。それはきっと、“持続可能なより良い未来”が動き出す合図のはずですから。
いいことをして、生きていく。それは、どういうことなのか。
大人になっても、その答えは簡単には出ません。
でも、未来を想う気持ちがほんの少しでもあれば。
そういう気持ちが交差していけば。
未来はつながっていくのかもしれない。そんなふうに想える対談でした。

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