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“未来のコンビニ”は、人と技術でできている。大阪万博で見えてきたリアル 大阪万博編【後編】

大阪万博で見えてきた、“未来のコンビニ”の形。でも、技術の進歩だけでは未来を語れないことも見えてきました。地球環境への配慮をさらに意識しなければならない…そんな現実があったのです。

後編では「接客」や「フランチャイズ」の視点から、もう一歩踏み込んで未来を考えていきます。

“未来のコンビニ”を支えるのは技術なのか、人なのか。
交差点を渡った先にある明日について、前編にも登場した皆さんで声を交わしていきます。

変わる、おもてなしの形。2030年のセブン‐イレブン

前編で山﨑さんが「売り方はまだ変えられる」とお話されていましたが、それはきっと、“接客”のあり方そのものを見つめ直すことでもあるのだと思います。
今回の万博の店舗で、そんな「接客の未来」を感じる場面はありましたか?

多喜さん

多喜さん

リモートで接客ができるnewme(ニューミー)を導入しています。NTTパビリオン施設内の遠隔接客ルームからの操作で、ロボットを動かせるのですが、実際に店内を歩いているかのように接客できるんです。これはまさに、未来の接客ですよね。瞬間移動とまではいきませんが(笑)。

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newmeによる接客。リモートでも、顔の見える接客を実現します。

永田さん

永田さん

印象に残っているのは、「空中ディスプレイ」※の操作時の反応ですね。大阪万博では西ゲート店のみに設置していて、操作すると空中にディスプレイが浮かび上がるんです。

使い方自体はセルフレジと同じで、ただのお会計なのに“未来感”があるんですよね。お客様からも「画面が浮かび上がってる!」「これレジや!」といった驚きの声があがって。接客とは少し違うかもしれませんが、こういう未来の形もあるんだな、と思いました。

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※首都圏を中心にセブン‐イレブンの数店舗でも導入されています

島さん

島さん

ワクワクする空間づくりも、接客の一つだと思うんですよ。今回ならではの光景なんですが、お客様がお店に入る前からカメラやスマートフォンを構えられているんですね。店頭看板やガラス面に設置されたサイネージを撮影されているんです。

同じような仕組みを店舗にも活かせたら、今後のお店のあり方も変わっていくのかもしれません。

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西ゲート店の店頭

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店頭のガラス面に設置されたサイネージ。『2024年度SDGs全国子どもポスターコンクール』でセブン‐イレブン賞を受賞した小中学生の作品などを表示しています。

“人”と“技術”で描く、コンビニのあした

―空間そのもののつくりこみが、お客様の体験を変えるということですよね。万博の店舗がそのまま全国に広がるかはわかりませんが、外観が変われば、新しいお客様との出会いも生まれるかもしれません。
それはきっと、フランチャイズ店のオーナー様にとってもうれしい未来ですよね。

島さん

島さん

前編で)新からファストフードの話がありましたが、今回の店舗では、揚げ物のほかにもクッキーやお団子などを、その場で調理して提供しているんですね。これが、若いお客様にとても好評で。

通常の店舗では、若者離れが課題の一つになっていますが、こうして新しいコンセプトで、若い方のニーズを的確にとらえた取り組みをしていけば、状況は変えられるはずです。若い世代のお客様の声で商品が広がっていく。結果的に、それが加盟店の皆さんのお役に立てる。そんな可能性もあるんじゃないでしょうか。

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店舗で調理される和と洋のお菓子。

新さん

新さん

プロモーションのご支援や効率的な仕組みは、我々が率先して考えていかなければいけませんよね。加盟店の皆様が動きやすいような環境を整えつつ、新しい技術で人手不足もサポートしていきたいです。

足立さん

足立さん

先ほど多喜が紹介したnewmeは、店頭に立つ必要がありません。長時間立って働くことが難しい方も、newmeを使えば、遠隔地からダイレクトに接客できるんです。これは新が言った、技術で人手不足をサポートするという考え方の、一つの選択肢ではないでしょうか。

ただ、新しいものを用意するだけでは足りないんですよね。オーナー様にいかにご負担なく、お使いいただけるのか。コミュニケーションを取りながら、全員にとっての理想像を探していくことが重要だと思います。

山﨑さん

山﨑さん

皆さんが話されたように、本部は加盟店様と共に歩み、共に成長するパートナーでありたいと考えています。一方で、環境に配慮した取り組み等はコストがかさみ、利益を確保するのが難しいという現実もあります。これは、セブン‐イレブン全体のブランドイメージはもちろん、私たちの生活にも直結するものだからです。

環境を意識しつつも、利益を生み出していく。そのために必要なのは、商品だけではなく、利益につながる仕組みそのもの。今回の万博での経験が、その一つのヒントになればと考えています。

私たちが考える、これからの未来

―皆さんのお話を聞いていると、“未来のコンビニ”の姿を通して、それぞれに何かしらの変化があったのだと感じます。万博が終われば、また日々の業務に戻っていくことになりますが、今回の経験は、これからのお仕事にどう活かせそうでしょうか?

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足立さん

足立さん

パビリオンの仕事も、セブン‐イレブンの店舗運営も、多くのお取引先様とのご縁があって成り立っています。今回の万博会場では、私が発行した関係者用の万博会場への入場証だけでも1,000枚以上。多くの方々の協力のもとで運営が成り立っていたことを実感しました。

この経験を糧に、これからも新しい挑戦を続けていきたいと思っています。

島さん

島さん

残り20年の会社人生、私も新しいフィールドで挑戦していきたいです。次は、2050年のセブン‐イレブンのビジョンを描きながら。個人的にうれしかったのは、会社のことをより深く知れたことです。入社2年目の多喜さんと永田さんはどうだった?

多喜さん

多喜さん

さまざまな立場の店舗応援の方と接する中で、コミュニケーション能力が本当に鍛えられました(笑)! 今回、店舗オペレーションの課題や改善にもたくさん取り組ませていただいたので、その経験を加盟店様とも共有して、一緒により良いお店づくりを実現できたらと思っています。

永田さん

永田さん

将来のキャリアについて考える良いきっかけになりました。「こういう部署もあるんだ、こういう仕事もあるんだ」って。私も多喜さんと同じで、店舗のオペレーションの経験を活かしたいです。オペレーション・フィールド・カウンセラー(OFC:店舗経営相談員)として、加盟店様と一緒に歩んでいきたいなと思います。

山﨑さん

山﨑さん

未来をしっかり考えられる、貴重な機会でした。日々の仕事はどうしても目先のことを追ってしまいがちで、その先にある未来を描けていなかったと感じています。このチームを離れても、将来どうあるべきかを考え続けていきたいですね。そうすることで、関わるすべての人たちを巻き込んで進んでいけると信じています。

新さん

新さん

足立さんが言ったように、今ある仕組みや環境は、オーナー様はもちろん、パートナー企業の皆様や、会社の仲間たちに支えられて成り立っているんですよね。万博が終わると店舗はなくなりますが、この気持ちは消えません。万博で経験したことや感じたことを周りに伝えながら、未来を考えていきたいですね。

技術だけでなく、人と人のつながりが未来をつくる。万博という未来を想う場で見つけたのは、当たり前で、でも、忘れられてしまいがちなことだったのかもしれません。

未来に向けたさまざまな挑戦を具現化したセブン‐イレブンの“未来型店舗”|セブン‐イレブン

未来に向けたさまざまな挑戦を具現化したセブン‐イレブンの“未来型店舗”|セブン‐イレブン

2025年大阪・関西万博の会場内に「西ゲート店」「ウォータープラザ店」の2店舗をオープン。「未来社会の共創」「新たなアイデアの創造・発信」といったコンセプトのもと、「環境」「商品」「買い物体験」の3つの視点で未来に向けた実証実験に取り組みます。

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