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未来もコーヒーを届けるために。『セブンカフェ』、産地支援で目指す晴れ間

いつもの朝に、お昼休みに、学校や仕事の終わりに。さまざまなシーンで気軽に楽しめる挽きたて・淹れたての本格的なコーヒーとして、『セブンカフェ』は愛されてきました。
しかし、その1杯を生み出すコーヒー豆がどこから来て、どんな人たちが育てているのか。その背景まで知る機会はあまりありません。

現在、「2050年には気候変動の影響で、コーヒー豆の収穫量が大幅に減少する可能性がある」という“コーヒー2050年問題”が、世界を揺るがしています。

このまま静観すれば、コーヒー豆を現在の主要な生産地で育てられない未来がやってくるかもしれないのです。

そんな現実に対して、セブン‐イレブン・ジャパン(以下、SEJ)はさまざまな産地支援の取り組みを展開しています。
未来は変えられるのか。『セブンカフェ』の産地にまつわるアメノチハレをお届けします。

産地で目の当たりにした、もう一つの“コーヒー2050年問題”

『セブンカフェ』での産地支援の取り組みを担当しているのが、商品本部 FF担当の石橋さん。配属されてから間もなく、産地の一つであるグアテマラやジャマイカのコーヒー農園を訪れる機会がありました。

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石橋さん

石橋さん

世界で広く使われているコーヒー豆が、アラビカ種です。『セブンカフェ』で使用しているアラビカ種の多くは、標高1,000メートルを超える高地で栽培されていて、その畑の多くが30度くらいの急斜面になっています。そんな環境下で、生産者の方々が手作業で収穫を行っているんです。話には聞いていたものの、驚きました。

そのほかに石橋さんが目にしたのは、使い古された設備や農具、畑で遊んでいる子どもたちでした。産地の一部地域では子どもを預けられる環境も整っていないため、大人の目の届く場所が畑しかないのです。

石橋さん

石橋さん

“コーヒー2050年問題”は気候変動の影響が大きいと言われています。しかし、現地で私が直面したのは、そこで働く方々の問題でした。環境問題と、労働環境を取り巻く問題。その両方が、コーヒー豆の生産量に大きな影響を与えているんです。

さらに現在は、エネルギーコストや人件費、肥料代も上昇。また、近年ではコーヒーを飲む文化がなかった国々にも人気が広がっており、2050年を前にして需要と供給のバランスが崩れつつあります。

おいしいコーヒーを、手ごろな価格で飲める。そんな日々が、当たり前でなくなるかもしれないのです。

石橋さん

石橋さん

地球環境に対して我々ができることは限られています。ですが、それぞれの産地で“コーヒー生産に携わる人々が安心して働ける環境づくり”のお手伝いはできるんじゃないか。その想いから、産地支援の取り組みが始まりました。

産地の課題に合わせた「オーダーメイド」の支援

2021年から始まった産地支援の取り組みは現在、ブラジル、コロンビア、ジャマイカ、グアテマラ、エチオピア、タンザニアの6カ国を対象としています。主に取り組んでいるのが労働環境の改善や生産性向上です。

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石橋さん

石橋さん

ただ、支援とはいっても一方的なものではありません。例えば休憩時間やトイレの設置など、日本では当たり前と思えるような環境も整っていないこともあり、まずはそういったものに対して基準を設けて、産地の方にも一緒に改善を行っていただいています。私たちが行っているのは、どちらかというと“相談”に近い内容です。

たとえば、ブルーマウンテンの産地・ジャマイカで行っているのは、コーヒーの苗木の寄贈です。ブルーマウンテンはアラビカ種の中でも病気に弱く、デリケートな品種。そのため、若い苗木を育てていく必要があります。しかし、ジャマイカの農家が直面していたのは、資金不足による苗木の植え替えの遅れでした。

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石橋さん

石橋さん

苗木をご提供すれば、生産性が安定していく。つまり、農家の皆さんの生活の支えになりますよね。そのほかにもエチオピアやタンザニアでは、コーヒー豆を天日乾燥させるための棚(アフリカンベッド)、コーヒーの木を直射日光から守るシェードツリー(日陰樹)の苗木を寄贈しています。

いずれも、生産性を安定させるという目的は共通していますが、支援のかたちは、それぞれの地域の状況によって異なるというわけです。

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支援は時に、環境問題への対応に広がることも。もともと水資源に恵まれていたコロンビアでは、コーヒー豆の精製に多くの水が使われてきました。しかしコロンビアでは近年、エルニーニョ現象などの影響で深刻な水不足に直面しています。
そこで提供したのが、大幅な節水が可能となるコーヒー豆の精選設備 (ウェットミル)でした。

石橋さん

石橋さん

我々が行っていることは、すぐに効果は出ないかもしれません。それでも、ただ資金や物資の援助をするのではなく、産地の課題に即したオーダーメイド型の支援が重要だと考えています。

各国が抱える、さまざまな課題。その中で石橋さんは、つかの間の“晴れ間”と出会います。

産地の笑顔が、お客様の笑顔につながっていく

それは、グアテマラでの出来事でした。
高品質なコーヒーの産地として知られるグアテマラですが、特に農村部では成人の識字率が低いという国家的な問題を抱えています。その大きな原因の一つが、学校の少なさです。

両親が働いている間、子どもを学校に預けられず、満足な教育を受けられないまま育つ――。そんな流れを少しでも止めるために、グアテマラに学校の設立支援と文具や教材の提供を行いました。

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石橋さん

石橋さん

授業参観を、現地で見学させてもらったんです。普段はコーヒー豆の収穫で忙しいお母さんたちも、特別な日のために参加していて。子どもたちとお母さんたちの笑顔が本当に輝いて見えました。支援が形になって、実際に人々の暮らしを少しでも豊かにしている。そんな瞬間に立ち会えたことは、何物にも代えがたい経験でした。

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そんな産地との対話の多くは現在、オンラインで行われているといいます。

石橋さん

石橋さん

話し合いの相手は主に、コーヒー農園や現地の輸入業者です。彼らとの太いパイプを維持することが産地支援においては重要なのですが、これは我々だけでは実現できません。

コーヒー豆の輸入を担当していただいている三井物産様や丸紅様といった総合商社、味の素AGF様やUCC上島珈琲様のようなコーヒー焙煎メーカーなど、多くのパートナー企業と連携してチームとして取り組んでいます。

チームの力はSEJがもつ、もともとの強みでもあります。『セブンカフェ』の商品開発においても、チームMDという業界の垣根を越えた多くの企業様との連携なしには生み出せませんでした。産地支援においても同様で、チームの力が一社ではたどり着けない場所への助けになっています。

石橋さん

石橋さん

ジャマイカに当初寄贈していたブルーマウンテンの苗木は、より効率的に支援するために、現在では種を購入したうえで、育てた苗木の寄贈をしています。今までの方法よりも本数を増やせるようになったので、産地のニーズに今まで以上に応えられれています。

これは、産地の要望を適宜チームで把握できるような仕組みができているからこそです。

お客様と産地の笑顔を守るために。石橋さんたちの歩みは続きます。その一歩一歩は地道なものかもしれませんが、持続可能なコーヒーの未来へとつながっていくのかもしれません。

二つの笑顔をつなぐ、『セブンカフェ』の挑戦

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持続可能なコーヒー豆の調達を目指して、SEJでは2030年までに“『セブンカフェ』で使用する豆の50%以上を持続可能なものにする”という目標を掲げています。
目標数値には近づきつつあるものの、まだ道半ばだと石橋さんは考えています。

石橋さん

石橋さん

産地支援は継続してこそ意味があります。私たちが今取り組んでいるのは、支援の“幹”を太くしていくこと。今支援している国々との関係をより深め、一つひとつの取り組みをより充実させていきたいです。

その眼差しは、“コーヒー2050年問題”を超えて、産地の人々へと注がれています。

石橋さん

石橋さん

山奥にある小さな農園の環境が、誰の目から見ても改善され、働いている人の笑顔が増える。結果としてコーヒー豆の収穫量も増える。世界規模で見れば小さな変化かもしれませんが、それが私にとっての“晴れ”です。

いつか、産地で働く人たちにも日本に来てもらい、『セブンカフェ』のコーヒーを楽しんでいる人の笑顔を見てほしいですね。そして『自分たちの仕事はこういう笑顔につながっているんだ』と知っていただきたい。それもまた、一つの“晴れ間”ですよね。

1杯のコーヒーが届ける、二つの笑顔。これらもまた、SEJの目指す姿である「明日の笑顔を 共に創る」の取り組みの一つかも知れません。

これからも、この二つの笑顔をつなぐ架け橋として、産地支援は続いていきます。“コーヒー2050年問題”という大きな雨雲の中でも、確かな“晴れ間”を広げるために。

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タンザニアで収穫されたコーヒー豆を使用した「セブンカフェ キリマンジャロブレンド」

セブンカフェの産地支援 取り組みの一覧はコチラ

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