
変化を乗り越えて、世界を目指すプライドブランドへ!
「豆腐でスイーツを作る? しかもチョコレートだって?」
セブンプレミアムは、時に驚くような商品が生まれることがあります。
「最初聞いた時は、何を考えているんだと思いました(笑)」と、苦笑いしながら振り返るのは、セブン&アイ・ホールディングス 執行役員 グループ商品戦略本部長の大竹さん。
「当たり前」と思える商品やサービスの裏には、必ず誰かの熱い思いがあります。雨にも負けず、嵐にも負けず、晴れ間を信じて挑み続けた人々の物語に迫るのが「アメノチハレ」。
前回に続いてお届けするのは、セブンプレミアム49アイテムが誕生した後のストーリーです。
目に見えない"感性"は、コロンブスの卵!?
セブンプレミアムの発売から17年(取材時)が経過し、今や約3,460アイテム(2024年8月末時点)を展開するブランドへと成長を遂げました。7人の侍から始まった開発チームも、今や60人を超えています。大所帯ならではの課題が生まれてきたのだと、大竹さんは言います。

大竹さん
ここまで規模が大きくなると、開発者一人ひとりの考えや想いを十分に汲み取り、適切な助言をすることが難しくなります。商品開発プロセスシートという羅針盤はありますが、最終的には開発者の感性が大事になってくるんですよ。

(左)大竹さん セブン&アイ・ホールディングス 執行役員 グループ商品戦略本部長
(右)長田さん セブン&アイ・ホールディングス グループ商品戦略本部 商品調達部 シニアアドバイザー

大竹さん
どれくらいの頻度で売場を見ているのか、街中を歩いて情報収集をしているのか。ものの見方は、それぞれの課題意識で変わってきますからね。このマニュアル化できない“感性”による差をどうしていくのかが、今後の商品開発の肝だと思っています。
“感性”に正解・不正解はありません。一方で、その感性が良い方向に働いた例の一つが、豆腐スイーツバーです。2020年に発売された豆腐バーは、おやつ感覚でタンパク質が取れる手軽さで大ヒット。あっという間に、新定番になりました。

大竹さん
いくらおやつ感覚で食べられるからって、スイーツの豆腐バーが作られるなんて想像もしていませんでした(笑)。きっかけは、開発担当者が娘さんにスイーツを買って帰った時に言われた一言だったそうです。
“夜に甘いものなんて食べられない”
彼はその一言に着目し、罪悪感なく食べられる『豆腐スイーツバー ガトーショコラ』を開発したわけです。

発売後は、「カロリーは気になるけれど、甘いものが食べたい」というお客様に大好評。日常のちょっとした出来事から、開発の糸口になり、ヒットへと結びついたのです。開発者一人ひとりの感性の違いをなくすことはできませんが、「やはり、お客様の目線で見ることは大切なんですよね」と大竹さんは深く頷きました。
変化する社会の声にも応える。現代の商品開発の挑戦
アメノチハレを繰り返しながらも、数々のヒット商品を生み出してきたセブンプレミアム。一方で、個々の開発者の感性だけでは解決できない課題も生まれています。
物価の高騰や健康意識の高まり、環境問題などの社会状況の変化。こうした変化への対応に取り組んでいるのが、グループ商品戦略本部 商品調達部 シニアオフィサーの水納(みずのう)さんです。


水納さん
ここ数年は、グループ各社の開発担当の方も、商品コンセプトの設計段階から健康志向を意識するようになりました。たとえば、“1日分の野菜が取れる商品”というアイディアが出てきています。
おいしさだけではなく、体への優しさもお届けする。
これは私たちだけでは難しい面もあるので、管理栄養士などの専門家にご参加いただきながら、商品開発に取り組んでいます。
環境問題には、セブン&アイグループ全体で取り組んでいます。2019年から始まった『GREEN CHALLENGE 2050』では、CO₂排出量削減、プラスチック対策、食品ロス・食品リサイクル対策、持続可能な調達の4つのテーマを掲げています。
セブンプレミアム商品で実施しているプラスチック対策では、食パンの留め具の廃止や、セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルを原材料としたリサイクルペットボトルを、再びセブン&アイグループの店頭で販売。
食品ロス・食品リサイクル対策では傷や形など、外見上の問題で流通できない食材をアップサイクルしています。
社会の変化を“雨”ではなく、前向きに挑戦していくべき課題として捉え、セブンプレミアムも一歩ずつ歩みを進めているのです。
一方で、生き物や自然環境、生産者の労働環境に配慮した“持続可能な調達”は、まだまだ高い壁が立ちはだかるのだとか。

水納さん
持続可能な調達の重要性は認識しています。ただ、我々の必要とする量を一朝一夕に、すべて持続可能な材料に切り替えられる段階には現状ありません。そのため現在は、一例として第三者機関との連携も考えながら、認証マーク※の取得を進めています。
セブン&アイグループ環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』に沿って引き続きスピード感を持ってしっかり取り組みます。
※環境への配慮や生物多様性の保全などの基準をクリアした食材であることを示す。
セブン&アイグループでは、環境負荷低減を推進し、豊かな地球環境を未来世代につないでいくため、環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を掲げています。
4つのテーマ「CO₂排出量削減」「プラスチック対策」「食品ロス・食品リサイクル対策」「持続可能な調達」におけるそれぞれの中長期的目標を達成するため、グループ一丸となって環境負荷の低減に取り組んでいます。
次の進化のために。今、求められていることとは

開発者の“感性”の差を縮めていくこと、社会環境の変化にしっかり対応していくこと。これらにとどまらず、次なる進化が必要なのだと大竹さんは言います。

大竹さん
“上質なものをお求めやすい価格で、健康や環境にも配慮する”といったテーマを設けた中で、価値のある商品を開発していく。これは最低限クリアすべきハードルです。では、この先に進むために我々はどうすべきか。“お客様の立場に立って”考えるという、原点に立ち返ることこそが、今一度求められています。

長田さん
さばの塩焼がコンビニで買える日が来るなんて、昔は誰も思いませんでしたよね。同じような驚きを生むために、原点が大切なんです。
そして今、その“お客様”の対象を世界へと広げる挑戦をしたいのだと、三人は口を揃えます。
“プライドブランド”を継承し続け「世界とつながるブランド」に


長田さん
訪日されるお客様に、セブンプレミアムのお菓子をたくさんご購入いただいています。これってすごいことですよね。セブンプレミアムには、まだまだ可能性が残されているわけですから。世界共通の商品になって欲しいですね。

大竹さん
セブン‐イレブン・ジャパンで継続的に開催している商品展示会では、ご招待した海外の方はみんな「おいしい」「欲しい」って言ってくれるんです。しかし、添加物の基準が国によって違うので、輸出できる商品は限られます。高い障壁ですが、チャンスは必ずある。世界に誇れるブランドにしていきたいですね。
「世界で通用する商品を作る。それは私たちの誇りでもあります」と長田さん。セブンプレミアム誕生当時から携わる彼は、その想いを込めて続けます。

長田さん
セブンプレミアムは“プライドブランド”でもあるんです。日本だけでなく世界に売っていける、高品質でおいしいものを自分たちが作るんだ、というプライドを開発者が持たないといけない。その精神が、世にインパクトを与える商品を作っていくと思いますね。

水納さん
“プライドブランド”の精神は、次の世代にもずっと引き継いでいかなければならないものです。商品や仕組みづくりなど、セブンプレミアムが「世界のお客様とつながるブランド」に成長できるように走り続けます。

大竹さん
セブンプレミアムの誕生は、確かに大きな晴れ間でした。でも、今こうして約3,460アイテム(2024年8月末時点)に育ち、お客様の生活に寄り添えるブランドになれたこと。その先を目指そうとしていること。ときどき、“雨”が降るかしれません。でも、晴れ間を信じて、私たちは歩き続けていきます。
49アイテムからスタートし、いつしか私たちの生活になくてはならない存在へと進化を遂げていったセブンプレミアム。その歩みはこれまでも、これからも、続いていきます。