pecoの「私のめざめ」。“苦手”の扉を開けたら、世界の鮮やかさにめざめた
人それぞれにある「めざめ」の瞬間。その無限大の可能性を応援する「asupresso」がお送りするコラムシリーズ「私のめざめ」では、毎回スペシャルなゲストに「めざめ」にまつわる思い出や考えを自由に書いて寄せてもらいます。今回筆を執ってくださったのは、タレント/ブランドプロデューサーのpecoさんです。
peco(タレント/ブランドプロデューサー)
1995年、大阪府生まれ。原宿系ファッションのカリスマモデルとして10代を中心に絶大な人気を集め、パートナーのryuchellとバラエティ番組やテレビCMに多数出演。2018年に一児の母となり、2023年には自身がデザイナー・プロデューサーを務めるファッションブランド「Tostalgic Clothing(トスタルジック・クロージング)」を立ち上げる。
苦手意識を越えた先に広がった世界
子どもの頃からアメリカのカルチャーが大好きで、英語の世界に強い憧れを抱いていました。でも、勉強がとにかく嫌い。いざ学ぼうとすると逃げてばかりで、憧れの世界を遠くから眺めているだけだったんです。
そんな私が、2024年、お仕事をきっかけに英語の勉強を始めました。
正直、最初は「えぇー、勉強しなきゃいけないんだ……」という気持ちでしたが、せっかくのチャンス。人生で一番と言えるくらい真剣に取り組んでみようと思いました。
最初の3カ月は、もう本当に必死。でも、英語に少しずつ慣れていくうちに、頭の中で好きな英語の歌詞や映画のセリフがつながっていく感覚があったんです。そして気づけば、自分の気持ちを英語で伝えられるようになっていました。その時、「世界ってこんなにも身近で、鮮やかなんだ!」と感じたんです。
英語を学んだあと、大好きなディズニーのキャラクターたちに自分の言葉で愛を伝えられたことは、私にとっての大きな成功体験です。
「あなたは最高の王子様!」
「あなたのお洋服のここが好き!」
フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでアラジンに遭遇し、スラスラと思いを伝えられた時は、自分でもびっくりしました。そして、NHK Eテレ「会話が続く!リアル旅英語」出演という、思いもよらぬお仕事にもつながっていきました。
今も定期的に、Instagramに英語で話すリール動画を投稿しています。海外の方からコメントをもらえたり、ずっと憧れていたインスタグラマーの方とメッセージを交わせたり。そんな瞬間にも、「英語を学んで良かった」と心から思います。
「がんばっているつもりのない努力」が一番の財産
私は昔から、「夢」や「目標」を立てるのが苦手です。なぜなら、目標を立てた瞬間に「がんばらなきゃ」と力を入れないといけなくなってしまうから。「気づいたらここまで来れてるやん」という生き方が、私にはしっくりきます。
例えば、中学2年生から22歳まで、365日欠かさず続けたブログの更新。周りからは「努力だね」と言われましたが、自分の中に「がんばっている」という意識はまったくありませんでした。ただ楽しくて、好きで、発信したいからやっていた。それだけです。
高校卒業後に上京を決めた時も、特別な決意なんてなかった。ただ「原宿が好き」だから東京に来て、気づけばお仕事を始めていました。振り返って思うのは、「がんばっているつもりのない努力」こそが、実は一番価値のあるものだったということです。好きなことに夢中でいる時間は、誰よりも努力している時間でもある。それが、自分を輝かせる力になるんだと思います。
もちろん、本当はやりたくないなと思うこともありました。テレビに出始めた頃、「おばかキャラ」を求められることが多くて、本当はすごくモヤモヤしていた。そういう自分を演じるのは、自分にウソをついている気がして苦しかったです。
その時に気づいたのは、「自分の心が嫌がることは、無理して続けなくていい」ということ。私は「好き」の力でここまで来たけど、それは裏を返せば「嫌なことをしない」選択をしてきたということでもあります。それは、わがままじゃない。自分を大切にするという、前向きな選択だと今は思っています。でもそれも、テレビに出始めた頃の経験があったからこそ、改めて気づけたことだと思います。
「好き」を追いかけた足跡が、いつか自分の道になる
今でも「夢は?」と聞かれると、うまく答えられません。でも、英語という新しい手段を得たことで、「次にやりたいこと」がはっきり見えてきました。
それは、私にとって人生の支えとなったドラマ「glee」のキャストや、映画「リメンバー・ミー」の制作者の方々に、いつか直接お会いして、「あなたの作品に救われました」という心からの感謝と愛を、自分の言葉で伝えること。
英語を学んだことで、自分の思いを自分の言葉で伝える喜びを知りました。英語は「伝えたい相手」と「伝えられる可能性」を広げてくれる、大切な手段になったんです。
もし今、「本当にやりたいことがわからない」と悩んでいる人がいたら、伝えたいことがあります。
「やりたいことがない」というのは、「これから何でもできる」ということです。焦る必要も、無理に夢を掲げる必要もない。少しでも興味を持ったことにまず手を出してみて、これは違うな、と思ったら潔くやめていいんです。その小さな試行錯誤の先で、「あれ?気づいたら続いてるな」と思えるものが、きっと見つかるはずです。
期限を決めなくていい。“誰か”のようにがんばらなくていい。自分の「好き」をただ信じれば、ちゃんと道はつながっていきます。今日もまた、新しい「好き」に出会えるかもしれない。そう思いながら、私はこれからも、自分のペースで歩いていきます。
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