7-Eleven International LLC の目指す姿 | 若林社長兼CEO インタビュー

2021年にセブン-イレブン・ジャパンと7-Eleven, Inc.の共同出資により設立された7-Eleven International LLCは、日本および北米（米国、メキシコ、カナダ）を除く世界各地で事業を展開しています。拠点はテキサス州と東京の2か所にあり、テキサスチームが新地域開発と管理部門を担当し、東京チームがアジアを中心とした既存地域と営業部門を担当しています。

各地域では、「ライセンシー」と呼ばれる現地企業がライセンス契約に基づいて、ブランド名の使用権と店舗運営権をもってセブン‐イレブン店舗を経営し、7-Eleven International LLCは既存ライセンシーへの支援および新たな地域への進出を行っています。

7-Eleven International LLCには２つの使命があると若林さんは語ります。

一つは、セブン-イレブン・ジャパンが持つ商品開発や店舗運営における強みと、7-Eleven, Incが持つマーケティングやデジタルテクノロジーの強みを組み合わせ、既存ライセンシーへの支援を強化することです。
「現在当社は、セブン-イレブン・ジャパンと7-Eleven, Inc.からの出向者30名ずつに、グループ外から採用した20名を加えた80名で構成しており、日本と北米で培ったノウハウを既存エリアの業績向上につなげることに取り組んでいます」

そしてもう一つは、新地域への進出を加速させることです。
「現在セブン‐イレブンはグローバルに店舗を展開しておりますが、進出できていない地域も多く、成長の余地は非常に大きいと考えています。」「ただ新地域については今までのようなローリスク・ローリターンのライセンスモデルではなく、リスクを精査した上でより高いリターンを目指す投資モデルを戦略として採用しております」

これら２つの使命を果たすことで、セブン‐イレブンをグローバルトップブランドに押し上げることに貢献していきたいと考えています。

7-Eleven International LLCは、世界のライセンシーをつなぐ「橋渡し役」でもあります。日米の情報のみならず、ライセンシーの成功事例もグローバルで積極的に共有をしています。

「例えば、約1万5,000店舗を展開するタイでは、デリバリー件数が1日平均50件を超え、売上の約11％を占めています。このノウハウを他の地域に共有する取り組みが進んでいます」

「北欧のデンマーク、ノルウェー、スウェーデンでは、ESG（環境・社会・ガバナンス）やサステナビリティ分野で先進的な取り組みを実施しており、他国の環境対策や社会貢献活動の参考となっています」

また、こうした成功事例を世界に広げるため、テーマ別にライセンシーの担当者が集まる「コミュニティ・オブ・プラクティス」という分科会を運営。四半期ごとにオンラインで成果や課題、ベストプラクティスを共有しています。
さらに、年に1回「ライセンシーCEOサミット」を開催。各ライセンシーのトップが集まり経営課題や成長戦略を議論します。

「今年は東京でCEOサミットが開催される予定です。密度の高い情報交換の場にしようと思っています」

地域ごとに異なる文化やニーズに合った店舗づくりを実現するのは、現場で動く「人」の力でこそなせるもの。7-Eleven International LLC はグローバルで活躍できる人材育成を重視し、その土台となる行動指針「LEADERSHIP PRINCIPLES /リーダーシップ原則」を掲げています。

「この行動指針をもとに新たな人材を積極的に採用するとともに、社員一人ひとりをさらに成長させることに取り組んでいます。また、必要なスキルは部門によって異なりますが、このような考え、リーダーシップは全社員が発揮すべきものだと考えています」

この８つの行動指針は、将来的に7-Eleven International LLCの企業文化として根付かせることを目指しています。

7-Eleven International LLC はさらなる成長に向けて大きく舵を切ろうとしています。

「7-Eleven, Inc. は既存店の改装、新規出店、買収を組み合わせた『規律ある投資戦略』により、2004年から20年で純利益を約23倍に伸ばしました。当社も同様に投資を伴う既存ライセンシー支援、新地域への進出を強化することで、純利益20倍以上引き上げの早期実現を目指します」

『7-Eleven』ブランドを牽引する存在になること。
それが7-Eleven International LLC の挑戦であり、これからの目指す姿です。